GenomeBentoProject

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古くから行われてきた品種改良は、実は生物をプログラミングすることそのものです。より病害に強く安全で美味しい作物を作るのも、微生物を活用した発酵食品などの開発でも、ゲノムの情報によって理解が深まってきています。
古くから行われてきた品種改良は、実は生物をプログラミングすることそのものです。より病害に強く安全で美味しい作物を作るのも、微生物を活用した発酵食品などの開発でも、ゲノムの情報によって理解が深まってきています。
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* 2016年以降の [https://github.com/YCAMInterlab/BioTIPS/blob/master/2016/genomebento.md ゲノム弁当開発履歴]
* 2016年以降の [https://github.com/YCAMInterlab/BioTIPS/blob/master/2016/genomebento.md ゲノム弁当開発履歴]

2020年5月18日 (月) 06:59時点における最新版

2016/12/12-16 に山口で開催する国内版版バイオハッカソン BH16.12 の連動企画として、12/10-11 に山口芸術情報センターの YCAMバイオ・リサーチ・オープンデイ vol.5 「生物とプログラミング」において、ゲノムの決まった生物種だけを食材にした「ゲノム弁当」をもとに、プログラミングによるデータベースの利活用やゲノムの解析・改変を考える市民イベントを開催します。

目次

プログラミングによるゲノム解析

私たちが毎日食べているゴハンやオカズは全て生物由来です。コンピュータを使って生物のもつゲノムを解読し、その機能を調べるにはプログラムを使います。解析結果は論文やデータベースにまとめられ、活用されています。

ゲノムそのもののプログラミング

古くから行われてきた品種改良は、実は生物をプログラミングすることそのものです。より病害に強く安全で美味しい作物を作るのも、微生物を活用した発酵食品などの開発でも、ゲノムの情報によって理解が深まってきています。

追記:フォローアップ

食材ゲノム

地球上には既知の生物が200万種、未知のものは1000万種以上いるといわれていますが、2016年までにゲノムの決まった生物は9000種以上、不完全なものを含めると10万種に及びます。

今回はそのなかでも身近な食材でゲノムの決まったものを(GenomeBentoProjectDraft に挙げられた食材をベースに)100種類くらい集めてみました。

日本人は魚介類や野草なども幅広くいただく食習慣がありますが、お店でよく見かけるお肉や野菜などは多くの食材のゲノムがすでに決まっています。

Genome-bento-table.png

この表には、食材の名前と対応する学名、ゲノムの大きさや解読年度、発表された論文やデータベースなどへのリンクを集めています。

これをもとに、ゲノム解読年度を追ってゲノムサイズをグラフにすると図のようになっています。2002年に解読されたトラフグは、魚類の中でも極めてゲノムサイズが小さいながらヒトと同じくらいの遺伝子数を持っていると予想されたため、ノーベル賞学者のシドニー・ブレナー氏がゲノム決定のモデル生物として取り上げました。

Genome-bento-graph-image.png

ヒトゲノムの解読完了が2003年で、その後さまざまな生物のゲノム解読が続いています。この中では異質6倍体の変わったゲノムをもつ小麦が17Gbと突出して大きいのですが、その他のゲノム解読は必ずしも大きさで優先順位が決まってきたわけではないようですね。

ゲノムとデータベース

ゲノムや食材に関連するデータベースは非常にたくさんありますので、ここでは展示担当者の開発したデータベースを紹介しておきます。その他の情報や、その探し方・使い方について興味のある方は、会場で遠慮なくスタッフにお尋ねください。

ゲノムと品種改良

ヒトは長い時間をかけ、気候変動や病害に強く、美味しく、栄養の高い生物を品種改良によって選んできました。良い特徴を持つ品種だけを選んで掛け合わせることで、自然に家畜や野菜のゲノムをプログラミングしてきたのです。また微生物の発酵などを利用して、食材の組み合わせから味噌や酒などを生み出す文化もプログラミングといえます。

しかし、これらの営みは時間のかかる無数の試行錯誤の結果でもあり、うまくいくかどうかは偶然に左右されてきました。21世紀になり、ゲノムから遺伝子の機能を調べられるようになった今、もっと積極的に生物をデザイン(プログラミング)することができるようになってきています。

ゲノム弁当

以上の情報をもとに、YCAM の方々とお弁当業者さんで実際にゲノムの決まった食材だけで作る「ゲノム弁当」のメニューを考えて頂きました。2016/12/10-11 の YCAM バイオ・リサーチ・オープンデイでは、パネル展示と下記のようなお弁当の販売を行います。

12月10日(土)のメニュー

コンセプト「香りの相性を愉しむ」

  • みどり豆(山形だだちゃ豆)と香り米(高知ヒエリ)の炊き込み御飯
    • 食材:大豆(だだちゃ豆)と香り米は、香り成分(2-アセチル-1-ピロリン)が共通
  • 鳥の味噌麹焼き
    • 食材:味噌・みりん・鮭
  • 鮭の塩焼き
    • 食材:鮭
  • トウモロコシのコロッケ
    • 食材:トウモロコシ・じゃが芋・パン粉・塩・コーン油
  • 煮卵
    • 食材:ニワトリ
  • ポテトとりんごのヨーグルトサラダ
    • 食材:じゃが芋・りんご・ヨーグルト・塩・オイスターソース
  • タコときゅうりのサワークリームヤンニョム
    • 食材:きゅうり・タコ・サワークリーム・味噌・塩
  • レンコンのきんぴら
    • 食材:レンコン・人参・甜菜糖・酒・みりん・醤油・塩
  • 春雨サラダ
    • 食材:人参・きゅうり・もやし・緑豆・醤油・酢・甜菜糖・ごま油
  • インゲンの胡麻和え
    • 食材:インゲン豆・黒胡麻・甜菜糖・醤油
  • キャベツマリネ、トマト
    • 食材:キャベツ・トマト・酢・塩
  • 豚汁
    • 食材:豚・白菜・豆腐・味噌

12月11日(日)のメニュー

コンセプト:「和な地中海ごはん」

  • 黒米ごはん
    • 食材:黒米
  • 塩鷄とプチトマトのグリルの串焼き
    • 食材:鶏もも・塩
  • 味噌ディップ
    • 食材:味噌・醤油・甜菜糖・オリーブオイル
  • きゅうりのカルパッチョ
    • 食材:きゅうり
  • 豚肉のキャベツロール
    • 食材:豚・キャベツ
  • 人参のオレンジマリネ
    • 食材:人参・オレンジ・酢
  • タコとじゃが芋とオリーブ
    • 食材:タコ・ジャガイモ・オリーブ
  • 蓮根のスパニッシュオムレツ
    • 食材:レンコン・卵

プロジェクトをお手伝い頂いた方々

  • 伊藤隆之 (山口情報芸術センター/YCAM)
  • 津田和俊 (山口情報芸術センター/YCAM)
  • 高原文江 (山口情報芸術センター/YCAM)
  • 金谷重彦 (奈良先端科学技術大学院大学/NAIST)
  • 有田正規 (国立遺伝学研究所/NIG)
  • 櫻井 望 (かずさDNA研究所)
  • 大田達郎 (ライフサイエンス統合データベースセンター/DBCLS)
  • 小野浩雅 (ライフサイエンス統合データベースセンター/DBCLS)
  • 川島秀一 (ライフサイエンス統合データベースセンター/DBCLS)
  • 片山俊明 (ライフサイエンス統合データベースセンター/DBCLS)
  • SPARQLthon, バイオハッカソン BH16.12 参加者のみなさま
  • お弁当を作ってくださった方々(ありがとうございます!)
    • 津田多江子 (YAMA KITCHEN)
    • 中谷敦子 (CHEERS!)
/mw/GenomeBentoProject」より作成