BH15.15/PlantMetabolomics

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目次

ゴール

植物2次代謝パスウェイ解析のための情報基盤の構築

メンバー

時松、福島、西田、大野

背景

  • 理研CSRSでは植物メタボロームプロファイルデータベース AtmetExpress を公開している (統合化推進プログラムのデータベース)。
  • AtmetExpress はパスウェイ統合、可視化を行うための情報基盤の構築がまだできていない。
  • 特に2次代謝物質のパスウェイ解析に注目している。
    • 植物2次代謝物質は多様であり、反応ネットワークとしては未だ整理されていない情報が存在する。
  • 上記を考慮し、「散在するデータの統合、キュレーション(クオリティが低いデータも存在するため)を行う独自のパスウェイ解析基盤」が必要である。
    • 統合化推進プログラムのデータベース KNApSAcK は植物2次代謝物の情報が豊富であり、このデータベースの化合物情報は我々にとって有用である。
    • しかしながらKNApSAcK には反応ネットワーク情報、API、(KNApSAcKから)他データベースへのリンク情報などが欠如しており、そのままではデータ統合が困難である。
  • 最初のターゲットをフラボノイドに絞り上記の改善を図る


2次代謝物情報のキュレーション (時松、福島)

背景

  • シロイヌナズナメタボローム中のフラボノイド候補の分子情報の整備
    • 代謝産物の構造式の描画様式は目的により異なる(2Dでの機械可読性の高さ、3D分子構造の最適化目的 etc.)

FL7AACGL0084 C00007570M.pngFL7AACGL0084 C00007570C.png

    • mol形式からInChIへの変換の際に、描画形式により異性中心の向きを読み取れないことがある
      • KNApSAcK C00007570 Mills描画(上図左):InChI=1S/C61H66O34/c1-82-35-13-25(14-36(83-2)46(35)73)6-12-43(70)94-56-45(72)32(66)21-86-60(56)95-57-52(79)49(76)40(22-84-42(69)11-5-24-3-8-28(9-4-24)87-58-53(80)50(77)47(74)38(20-62)91-58)93-61(57)90-37-18-29-33(88-55(37)26-7-10-30(64)31(65)15-26)16-27(63)17-34(29)89-59-54(81)51(78)48(75)39(92-59)23-85-44(71)19-41(67)68/h3-18,32,38-40,45,47-54,56-62,66,72,74-81H,19-23H2,1-2H3,(H4-,63,64,65,67,68,70,73)/p+1/b11-5+/t32-,38-,39-,40-,45+,47-,48-,49-,50+,51+,52+,53-,54-,56-,57-,58-,59-,60+,61-/m1/s1、InChIKey=QRNIDVBVORPNBX-YYZQHOFDSA-O
      • KNApSAcK C00007570 椅子型描画(上図左):InChI=1S/C61H66O34/c1-82-35-13-25(14-36(83-2)46(35)73)6-12-43(70)94-56-45(72)32(66)21-86-60(56)95-57-52(79)49(76)40(22-84-42(69)11-5-24-3-8-28(9-4-24)87-58-53(80)50(77)47(74)38(20-62)91-58)93-61(57)90-37-18-29-33(88-55(37)26-7-10-30(64)31(65)15-26)16-27(63)17-34(29)89-59-54(81)51(78)48(75)39(92-59)23-85-44(71)19-41(67)68/h3-18,32,38-40,45,47-54,56-62,66,72,74-81H,19-23H2,1-2H3,(H4-,63,64,65,67,68,70,73)/p+1/b11-5+/t32-,38-,39?,40-,45?,47?,48-,49?,50-,51?,52-,53-,54+,56+,57-,58?,59-,60+,61?/m1/s1、InChIKey=QRNIDVBVORPNBX-VQZKQUEWSA-O
    • 前項の理由により同じ分子を指すDBエントリーがInChIの完全マッチングではリンクできず、化合物DB間のリンクを取るうえでの障害になっている。
    • 当グループでは、シロイヌナズナフラボノイド候補分子について、WikiPathwayを用いて可能な限り代謝パスウェイ情報を作成したい
    • その際に、PubChemなどのIDに可能な限り紐付けをしたい

方法

  • (1) InChIを取得用構造式molファイル、Pathway貼り付け用構造式画像の作成
    • Accelrys Draw 4.2を用いて、候補159分子についてmolファイルを作成
      • 立体情報に複数の候補がある場合は両方描画
      • 糖分子を含む化合物(96分子)については、Mills式(2D機械可読性高い)と椅子型配座(ヒトが認識しやすい)の両方を作成
  • Accelrys Draw 4.2を用いて、各molファイルのpng形式画像を作成
  • MarvinSketch15.2.9を用いて、各molファイルのsvg形式画像を作成
  • IUBMB InChIコンバーター1.04 を用いてmolファイルをInChI、InChIkeyに変換
  • 得られたInChIから、PubChemPyを用い、PubChem CIDを取得

結果

  • 226 molファイル、png画像、svgを作成
  • 糖を含む96分子のmills形式由来InChIと椅子型配座由来のInChIを比較いたところ、すべてについてInChIは異なることを確認した
  • PubChem CIDの取得まで完了、詳細な解析はこれから

今後

  • PubChem CIDの詳細な解析(same connectivity CIDの確認)
  • 他のDBとのリンク情報の確認
  • 整理した情報をWikiPathwayで利用するためのFeedBack(WikiDataへ?)

2次代謝物情報のIDリンクのRDF化、反応ネットワークの構築、可視化 (福島、西田、大野)

方法

  • ドラフト反応ネットワーク情報の共有
    • 上記の化合物情報をKEGG, ChEBI, pubchemと照合 cytoscape で可視化、さらにキュレーション、を繰り返す
    • ndex cynetshare CyWidget でネットワーク情報を共有
  • 最終的な情報はwikipathwaysで公開
    • wikipathwaysではwikidataに追加したIDリンク情報が閲覧可能
    • wikipathwaysの情報も即時ではないがRDF化され endpoint から取得可能

結果

  • http://chianti.ucsd.edu/~kono/ci/app/bh1515/
  • cytoscapeを用い、可視化した我々の手による植物2次代謝パスウェイ Screenshot 2016-03-16 16.45.35.png
    • 白抜きはKEGGにエントリーがないもの
    • 細いエッジは反応に関わる酵素遺伝子の情報が明らかでないもの
  • http://www.wikipathways.org/index.php/Pathway:WP3620
  • wikipathways 上での我々の我々の手による植物2次代謝パスウェイ Screenshot 2016-03-16 17.08.16.png
    • IDの参照情報が得られる。我々のキュレーション結果によるIDリンク情報を反映させることが可能
    • wikidataを活用 (endpointからの情報を直接的に活用しているわけではない。詳細は Egon Willighagenのgithubリポジトリ を参照)

今後

  • 代謝物プロファイルのパスウェイ上での可視化
  • shiny を用いた webapp 化